2006年 12月 24日
リビング名人会 立川談誌 -よみうりホール- |
私にとっては年の瀬の恒例行事でございます。
何ヶ月も前から楽しみにしていたので、風邪引きもなんのその、よみうりホールまではせ参じました。
この会では毎年芝濱を演ってくれるのですが、「今年はやらないよっ」との言葉があって(でもダイジェスト版というか、早送りのようなものをやってくれました)、演目は権助提灯と文七元結でした。
まず権助提灯。
妾を囲うことが男の甲斐性と言われていた時代のお話です。
女房に、「今夜は風が強くて、不安がっているだろうからお妾さんの家に行ってあげて」といわれ、良くできた女房だと関心しながらお妾さん宅へ行くと、今度はお妾さんに、「奥様に申し訳なくて泊まらせるわけにいかない」と言われ、また家に戻って・・・というあらすじです。
ドラマ『タイガー&ドラゴン』でも取りあげられていましたね。
お話は知ってはいましたが、生で聞くのは初めて。
女房、だんなさん、お妾さん、そして提灯持ちの権助の1人1人の個性が際立っていて、面白かったです。
後半は文七元結。
これはかなり前に家元が演じたのを聞いたことがあり、また、亡き志ん朝師匠が演じたのも聞いたことがあります。
腕は確かだけれど酒と博打で借金をこしらえ、生活が回らなくなった棟梁。
実の娘が自ら吉原の女郎屋さんに行ってこしらえた50両のお金を、橋から身投げしようとしていた見ず知らずの男にくれてしまいます。
この50両は、2年で返せなければ娘に客をとらせるよ、と念押しされて借りた大切なお金。
そのお金をどうして男にくれてしまうのか、というところが、演じ手の腕のみせどころではないでしょうか。
今回は、筋書きの部分や細かい描写がけっこう削られていて、この話を初めて聞く人にとっては、分かりづらいものだったかもしれません。
それでも、自他の区別なく、命を大切に思う気持ちはたっぷりと感じました。
50両を手に持つ仕草から、そのずっしりとした重みが伝わってきます。
家元ご本人の言葉通り、体調というか心調というのか、とにかくたいへんにしんどい状態であることは、見ていて分かりました。
でもね、袴姿はあいかわらず格好良いのです。
こんなに格好良い大人って滅多にいないと思う。
そして話に入れば、やはり客席を引き込んでしまうわけです。
行ける独演会があれば、チケットを買わずにはいられません。
次は1月。
楽しみです。
何ヶ月も前から楽しみにしていたので、風邪引きもなんのその、よみうりホールまではせ参じました。
この会では毎年芝濱を演ってくれるのですが、「今年はやらないよっ」との言葉があって(でもダイジェスト版というか、早送りのようなものをやってくれました)、演目は権助提灯と文七元結でした。
まず権助提灯。
妾を囲うことが男の甲斐性と言われていた時代のお話です。
女房に、「今夜は風が強くて、不安がっているだろうからお妾さんの家に行ってあげて」といわれ、良くできた女房だと関心しながらお妾さん宅へ行くと、今度はお妾さんに、「奥様に申し訳なくて泊まらせるわけにいかない」と言われ、また家に戻って・・・というあらすじです。
ドラマ『タイガー&ドラゴン』でも取りあげられていましたね。
お話は知ってはいましたが、生で聞くのは初めて。
女房、だんなさん、お妾さん、そして提灯持ちの権助の1人1人の個性が際立っていて、面白かったです。
後半は文七元結。
これはかなり前に家元が演じたのを聞いたことがあり、また、亡き志ん朝師匠が演じたのも聞いたことがあります。
腕は確かだけれど酒と博打で借金をこしらえ、生活が回らなくなった棟梁。
実の娘が自ら吉原の女郎屋さんに行ってこしらえた50両のお金を、橋から身投げしようとしていた見ず知らずの男にくれてしまいます。
この50両は、2年で返せなければ娘に客をとらせるよ、と念押しされて借りた大切なお金。
そのお金をどうして男にくれてしまうのか、というところが、演じ手の腕のみせどころではないでしょうか。
今回は、筋書きの部分や細かい描写がけっこう削られていて、この話を初めて聞く人にとっては、分かりづらいものだったかもしれません。
それでも、自他の区別なく、命を大切に思う気持ちはたっぷりと感じました。
50両を手に持つ仕草から、そのずっしりとした重みが伝わってきます。
家元ご本人の言葉通り、体調というか心調というのか、とにかくたいへんにしんどい状態であることは、見ていて分かりました。
でもね、袴姿はあいかわらず格好良いのです。
こんなに格好良い大人って滅多にいないと思う。
そして話に入れば、やはり客席を引き込んでしまうわけです。
行ける独演会があれば、チケットを買わずにはいられません。
次は1月。
楽しみです。
by naocco8
| 2006-12-24 23:51
| 落語