2006年 08月 13日
対岸の彼女 |
角田光代さんの直木賞受賞作です。
読んでみて最初に感じたことは、文藝春秋社の内容紹介として書かれているものと、実際の内容が全く違うということでした。
小夜子が「勝ち組」だとか、葵が「負け組」だとか、そんなことどこにも書かれていないし、ましてや「その二人の真の友情は成立するのか」という表現は、小説に書かれていることから100%ずれてると思うんですけど。
流行言葉を使って本を売りたかったのかもしれませんが、出版元がこんなことしてていいんでしょうか!
どうしてこんなに怒っているかといえば、それはこの小説がすばらしかったからです。
登場人物が集団の中になんとか溶け込もう、みんなとうまくやっていこうと強く思いながら、どんどん1人になっていく過程は、読んでいて息苦しさを覚えるほどにリアル。
小夜子、葵、ナナコ、それぞれの苦しみは、そのまま私に内在する苦しみでもありました。
他人と関わるということ。
生きていく上で、誰とも関わらないで生きていくことなんてできません。
やっぱり人は人と関わりたいんです。
でも、相手がどんな人であれ、すべてを理解しあえるなんていうのは幻想でしかありませんよね。
誰かに近づいては絶望し、精神的に引きこもり、しばらくすると今度こそと思ってまた近づいてみる。
そうしたことを繰り返していくうちに、もう諦めてしまった方が楽だな、などと思う。
くたびれちゃうんです。
くたびれちゃって、その後どうするのか、というのがこの小説の核心だと私は思いました。
じゃあ、理屈っぽくて読みづらい本なのかといえばそんなことは全くありません。
ストーリー展開もおもしろくて、特に後半は一気読みでした。
読み応えのある、夢中で読める一冊です。
こんなにすばらしい小説なのだから、出版元はもっと大切に扱って欲しい・・・
読んでみて最初に感じたことは、文藝春秋社の内容紹介として書かれているものと、実際の内容が全く違うということでした。
小夜子が「勝ち組」だとか、葵が「負け組」だとか、そんなことどこにも書かれていないし、ましてや「その二人の真の友情は成立するのか」という表現は、小説に書かれていることから100%ずれてると思うんですけど。
流行言葉を使って本を売りたかったのかもしれませんが、出版元がこんなことしてていいんでしょうか!
どうしてこんなに怒っているかといえば、それはこの小説がすばらしかったからです。
登場人物が集団の中になんとか溶け込もう、みんなとうまくやっていこうと強く思いながら、どんどん1人になっていく過程は、読んでいて息苦しさを覚えるほどにリアル。
小夜子、葵、ナナコ、それぞれの苦しみは、そのまま私に内在する苦しみでもありました。
他人と関わるということ。
生きていく上で、誰とも関わらないで生きていくことなんてできません。
やっぱり人は人と関わりたいんです。
でも、相手がどんな人であれ、すべてを理解しあえるなんていうのは幻想でしかありませんよね。
誰かに近づいては絶望し、精神的に引きこもり、しばらくすると今度こそと思ってまた近づいてみる。
そうしたことを繰り返していくうちに、もう諦めてしまった方が楽だな、などと思う。
くたびれちゃうんです。
くたびれちゃって、その後どうするのか、というのがこの小説の核心だと私は思いました。
じゃあ、理屈っぽくて読みづらい本なのかといえばそんなことは全くありません。
ストーリー展開もおもしろくて、特に後半は一気読みでした。
読み応えのある、夢中で読める一冊です。
こんなにすばらしい小説なのだから、出版元はもっと大切に扱って欲しい・・・
by naocco8
| 2006-08-13 22:35
| Book