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2009年 08月 23日
池袋の東京芸術劇場、小ホールです。
絶対にとれないだろうけど、と思って申し込んだ初日のチケットがとれて、見に行ってきました。 いやはや、これはすごいお芝居でした。 野田秀樹、大竹しのぶ、渡辺いっけい、北村有起哉。 たった4人で、こんな舞台が作れてしまうんですね。 放火犯として捕まった女、ユミの取り調べから、お話が始まります。 現代の恋、女の嫉妬、苦しみ、痛みが、源氏の物語とリンクしていく構成の緻密さ。 ところどころにちりばめられた、能の言葉、所作の美しさ。 4人と扇と椅子だけで、葵の上と六条の御息所の牛車の場面が演じられてしまうなんてね。 現代の女性から、源氏物語の夕顔、桐壷の更衣、葵の上、六条の御息所、そして謡曲の海人。 くるくる入れ替わっていく人格を演じきる大竹しのぶさん。 このすごさは、私のつたない文章では絶対に伝わらない。 実際に見て!としか言うことができません。 人手不足なんだよぉとぼやきつつ、衣装を替え、小道具を用意し、大汗をかきながら舞台を駆けめぐる渡辺いっけいさんも、何人ものやさしくてダメでずるい男を演じた北村有起哉さんもすばらしかった。 そして、いわずもがなの野田秀樹さん。 この4人でなくては成り立たないお芝居だと思いました。 人の内面を探ることは、命の危険を冒して深い海にダイブすること。 このテーマは、村上春樹氏の小説にも通じるもの。 恐くても、そのことを認識することは必要なんだと、改めて考えさせられました。
2009年 02月 04日
古田新太氏がリチャード三世を演じる。
もうそれだけで絶対観なきゃ、と。 共演にどんな俳優さんたちが出るのかも気にしないまま、チケットに飛びつきました。 後から確認したら、なんとゴージャスな俳優陣。 しかも演出は劇団☆新幹線のいのうえひでのり氏。 こりゃすごい。 もう、ずっと楽しみ~にしていました。 でね。 残念だけれど、あまり良いと思えなかった・・・。 狙うところは、伝わってくるんです。 従来通りの、いわゆるシェークスピア戯曲のセリフと大仰な身振りに、携帯電話やワイドショー、ミニパソコンなど現代的な小道具やロンドンブーツのような衣装の組み合わせ。 古典に現代性を融合し、より近く感じさせたかったんだろうと思うのだけれど、それが成功しているとは思えませんでした。 バス・ラーマン監督の映画『ロミオ&ジュリエット』みたいな違和感のなさにまでは至っていなかったんじゃないかな。 そして何より、リチャード三世が浮世絵みたいに平べったくなってしまっていたんですね。 ただの悪どい奴で、奥行きがないの。 全然魅力的じゃなかったなぁ。 見所は、3人の女優さんでしたね。 久世星佳さん、三田和代さん、そして銀粉蝶さん。 シェイクスピアの長くややこしいセリフが、この3人の女優さんたちがしゃべると、早口でもちゃんと聞き取れて、頭に入ってくる。 3人揃って、自分たちの運命を嘆き合うシーンは圧巻でした。 長時間のきらびやかな舞台で、うーん、つまらなかった訳では決してないんだけれど・・・。 芝居って難しいんだなぁと、素人ながら考えてしまいました。 つけたし。 今回、”赤坂サカス”という所へ初めて行ったのだけれど、もう行きたくないなぁ。 コーヒー一杯飲むんでも、トイレに入るんでも、半端じゃない大行列。 休日の昼間とかではなく、平日の夜ですよ。 表面的にどんなにかっこよく作られていても、そこに集まる人たちの基本的欲求を満たすことができないなんて、設計&企画ミスだとしか思えない! 話題性ばっかり追わないで、基本的なところを充実していただきたいものでございます。
2009年 01月 19日
野田地図第14回公演。
火星に移り住んだ人たちの話、ぐらいの予備知識しかない状態で見たので、ほんとうにドキドキしながらお芝居を見ることができました。 でも、とにかくストーリーを追ってしまったので、注目すべきことろを見逃しているような気もします。 ほんとはもう一回見るといいんだろうけれど。 詳しいストーリーは書かない(書けない)けれど、火星に住むというSF的設定でありながら、今私の目の前で起きているさまざまな事柄が、野田さんのお芝居にしては比較的分かりやすく盛り込まれているように思いました。 それだけ危機感が強いのかもしれませんね。 心に残ったシーン、セリフはたくさんあるのだけれど、松たかこさんと宮沢りえさんの掛け合いのシーンは圧巻でした。 わたしには、防空ずきんを被って逃げまどう、戦時中の母娘の姿に見えました。 そしてそうした歴史の上に、たくさんの人たちの屍の上に、今が成り立っているということ。 「希望がなければ絶望もない」という言葉。 希望がない=絶望ではないということ。 最後に示された明るさに、救われる思いがしました。 豪華キャスティングなので言うまでもないですが、俳優陣がどなたもすばらしい。 1人だけ挙げるなら宮沢りえさんかな。 『ロープ』の時の儚げな佇まいはどこへやら、瞳をぎらぎらさせてすごい存在感を放っていました。 すごい女優さんですね。 いやもうほんとうに、心に残るお芝居でした。 チケットとるの大変だけど、やっぱり観てよかったと思いながら帰ってきました。
2008年 08月 19日
なにはともあれ、すごい題名だ。
松尾スズキ氏の芝居を見るのは初めて。 劇場に行ってみて、20~30代の女性が大半を占めているのに驚きました。 今をときめく役者がずらっと揃っているので、当然といえば当然なのかもしれません。 で、感想なんですが。 実は消化不良を起こしてしまってるんですよ。 ごく普通の人を出して置いて、だんだんその人の抱えるものを露呈していくというのが、松尾氏のやり方なんですね。 そしてその見せ方が、こうドロドロなんですねぇ。 決して洗練されたものではない。 それは魅力なんだけど、見ていて辛いと感じるところもありました。 大竹しのぶさんを初めて生でみました。 やっぱり魅力的ですねー。 舞台上にいれば、おもわず目で追ってしまいます。 モノクロ映画の女優さんのような衣装と演技。 すばらしかったです。 市川染五郎氏の情けない男もおもしろかったです。 でも、やっぱりそこはかとなくお上品というか、出の良さは隠しきれないというか。 こちらがうがった見方しちゃってるのかもしれませんが。 阿部サダヲ氏はすごい迫力でした。 圧倒されました。 毎日あのテンションで体力持つのか?と思いました。 そして松尾スズキ氏。 ところどころに出てきて、変な踊りをおどりながら歌ったり、何言ってるのかわからないことをしゃべったり。 ポイントでしか出てこないのに、存在感あるんですよね。 役者さんとしてもすごいんですね。 それからね。 知り合いに、荒川良良氏に似てると思っている人がいるんですが、生でみてもやっぱり似てました。 なんか嬉しかったな。
2008年 01月 07日
毎年恒例の野田地図公演です。
『キル』は初回の公演をテレビの舞台中継で観たことがありました。 その時の感動が忘れられず、どうしても生のお芝居で観たいと思い続けていたので、今回の『キル』は何があっても観に行くと、チケットの予約開始日には電話3機、人間2人を酷使してやっとチケットを確保しました。 テレビで観た時の主演は堤真一さんと羽野晶紀さん。 今回は妻夫木聡さんと広末涼子さん。 楽しみに思いながらも一抹の不安は抱きながら(ファンの方ゴメンなさい!)、シアターコクーンに馳せ参じました。 それがですよ。 すばらしかったんですねぇ、これが。 お芝居が始まってしばらくは、テレビで観たものとつい比較してしまっていたのですが、いつのまにかそんなことはすっかり忘れて目の前の舞台に集中していました。 妻夫木君は線が細い。 ダイナミックさは弱いかもしれませんが、若さ故の愚かしさ、苦悩が強く伝わってくるテムジンでした。 父親から愛されず、息子を愛せない。 自らをどんどん追い詰めていくところなど、引き込まれました。 いい役者さんなんだなぁ。 広末涼子さんのシルクはおきゃんな感じ。 自分の意志よりは周囲の力によって流されていってしまう役なんですが、哀しみよりは、それが何なのよぐらいの開き直りが感じられて、なかなか面白かったです。 お二人とも前半は高く細い声でちょっと聞き辛いかなぁと思っていたのですが、休憩を挟んだ後半は低めの太い声を出していました。 前半と後半で声を変え、時間の経過を表現してたように感じました。 言葉遊びにひっかけて物語が展開していく脚本は言うまでもなくすばらしく、また野田さんの役者としてのすごさも改めて感じました。 父親に向けて語りかけるシーンでは特に。 終わってから表に出るまで、言葉が出てきませんでした。 観てよかった。 ほんとうによかった。 そう思える舞台でした。
2007年 12月 17日
NHK朝の連ドラが久~っしぶりにおもしろい!
主人公のB子ちゃんといっしょに、毎日泣いたり笑ったりしています。 登場人物が、みんなありえないほどに善人ばっかりだけれど、落語の世界ならそんなのもありですよね。 B子ちゃんの家族も素敵だし、師匠はもちろん兄弟子さんたちもいいなぁ。 ただ、落語はね。 役者さんが落語家を演じるのと、本物の落語家さんが語るのではこんなにちがうんだなぁと、つくづく思います。 今回の登場人物の中では草原兄さんだけが落語家さんだそうですが、着物姿の極まり方、座った感じ、発声など、どれをとっても他の人とは全く違う。 落語というものの奥の深さを改めて認識しました。 上方落語というのはあまり馴染みがなくて、知ってる話なんだけれどなんとなく印象が違っていたりするのも興味深いですね。 今、朝の15分間がとても楽しみです。 それから、目立たないけれどこのドラマを支えてくれているのが、上沼恵美子さんの”語り”だと思います。 毎日繰り返される「厚く御礼申し上げます」の言葉が、いつもじわっと心に染みるんです。 真の芸人さんなんですね。 すばらしいです。 楽しく見ているんですが、もう半分過ぎてしまったんですね。 B子の恋の行方やいかに。 もう目が離せません。
2007年 07月 26日
TSUTAYAに入ったら、懐かしいタイトルが目に飛び込んできました。
それはツイン・ピークス! その昔、これが見たくてレンタルビデオ屋さんを巡り歩いたものです。 順を追って見るのが難しいぐらい流行ったんですよ。 また見たいなーとは思ってたんですが、ついにDVDが出たんですね。 早速最初の3枚を借りてきました。 タイトル画面が出てくると、もう懐かしくて。 ファッションや音楽が時代を感じさせますが、やっぱりおもしろい。 最高におもしろい。 物語は、ローラ・パーマーという美しい女子高生の遺体が発見されるところから始まり、犯人を捜すことで展開していきます。 私は、もう何があって誰が犯人か知っているわけですが、そうして見ても新たな発見があって、またおもしろいです。 えっと、デビット・リンチ監督のドラマなので、ファンタジー度はかなり強めです。 登場人物はくせ者揃いです。 いちいち解釈してたら、身が持ちません。 見るなら真夜中にひっそりと見ることをお勧めします。 不気味さ倍増で、はまりますよ。 ちなみに、当時はクーパー捜査官に夢中だったけれど、今は保安官が好きだなー。
2007年 07月 21日
同じ脚本で、こんなに違う舞台になるのかと思いました。
まず舞台装置が、メタリックな輝きを放っていて、巨大な紙が敷かれていた日本版の地味さに比べて、不気味に派手に感じました。 そして芝居が始まると、登場人物の感情の起伏が、日本版よりもずっと大きいことを感じました。 言葉の違いによるものもあるでしょうし、国民性というか、身振り手振りが大きいこともあるんでしょうね。 感情表現が熱いんです。 観ていてわかりやすいし、伝わってきやすいなぁと思いました。 でも、日本人が日本語で同じような演技をしたら、ずいぶん大げさに感じるんだろうなぁ。 日本版の冷静と、ロンドン版の激昂の対比が面白かったです。 キャサリン・ハンターのジャパニーズ・サラリーマンは、違和感ないです。 どう観ても小柄な日本人のサラリーマンでした。 すごいなぁ。 それからね。 小古呂の妻を演じる野田秀樹氏が、かわいいんですよ。 床にぺたんと座った姿、背広にアイロンをかける仕草。 ドキドキしました。 面白かったなぁ。 こちらを先に観てみたかったなぁとも思いました。
2007年 07月 10日
NODA MAP番外公演。
三軒茶屋のシアタートラムにて。 筒井康隆氏の小説が原作ということで怖い話であることは予想していましたが、想像以上の怖さでした。 じわじわと狭い場所に追い詰められていく感じ。 ”普通の人”の中に潜む残忍さ。 恐怖に支配されている時の無力さ。 抗うことのできなくなった状況。 野田氏のお芝居なので、もちろん笑いはちりばめられているんです。 でも、笑った後にはさらに怖さが増しているような気がしました。 バリッ、ビリッ、ボキッ、バキューンといった音を出すのに小道具が効果的に使われていて、会場が狭いだけにその音がすごくリアルに響きます。 芝居が終わってすぐは、自分の顔が固まってしまっているのがわかりました。 アンコールで、野田氏がちょっととちったことがあって、そこで笑ってやっと気持ちがほぐれました。 ああ、怖かった。 ロンドン・バージョンも観にいきます。 こちらは男性女性が入れ替わるとのこと。 どんなでしょうね。
2007年 05月 26日
能を観るのは2回目です。
観たいなと思ってはいても、なかなか機会がなくて。 今回はお誘いをいただいて、行って来ました。 国立能楽堂は、こぢんまりとしていて素敵な建物ですね。 演目は、『歌占』と『葵上』。 狂言は『文山賊』でした。 まず、和楽器の演奏がおもしろかった。 西洋音楽と違って、どのタイミングで何の音が出て来るのか、全く想像が付かないんですよね。 「はぁぁぁ~」「ほっ」のかけ声と、大小の鼓の音、横笛の音。 聞いていると、ちょっと不思議な感覚に包まれます。 お芝居の始まり方、終わり方も独特ですよね。 何の合図もなく、すぅっと始まってすぅっと終わっていく感じが。 舞台上に、演者、伴奏者、裏方が、分け隔て無く存在するのもおもしろい。 能というと静かなイメージがありますが、実際はそんなことないですよね。 眠くならないように気を付けていたのですが、その心配は無用でした。 途中の狂言もとても面白かったし。 ただ、緊張していたこともあって後半はちょっと疲れました。 行って良かったです。 また観に行きたいな。 < 前のページ次のページ >
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