2013年 03月 21日
ロバート・キャパ / ゲルダ・タロー 二人の写真家 |
ロバート・キャパの写真は、美しいのです。
被写体を問わずほんとうに美しい。
計算しつくしてアングルを決めた、映画のワンカットのよう。
たとえそこに写っているものが、人の死にざまであっても。
写真に関してほとんど何の知識もないのですが、先日NHKで特集が組まれたこともあって、見てみたいなぁと思っていました。
有名な数枚の写真以外は、初めてみるものばかり。
そのほとんどは、あたりまえですが、戦争の写真です。
戦争カメラマン、ですものね。
それでね。
美術館内がとても混雑していたこともあって、ひとつひとつの写真をあまりじっくり見たりせず、さらさらっと流していきました。
そして、その写真の美しさに、いちいちおどろいていました。
打ちひしがれた人、こぶしを振り上げる人、空襲におびえる人、どんなものを写しても、美しい。
ああ、すごいな、さすがだなぁと思いながら見ていて、ふと、何か引っかかるものがあることに気づきました。
それが何なのか、美術館にいる間はわかりませんでした。
見終わってからの疲労感は、半端なかったけれど。
美術館を出て桜木町の駅に近くなったころに、ようやく思い当りました。
それは、”冷静さ”でした。
写真に写っているものが、たとえ撃たれた瞬間の兵士であっても、敵軍兵士との子どもを抱いて人々の罵倒や嘲笑をあびながら歩く女性であっても、朽ちはじめた子供の遺体であっても、写真はただただ美しい。
そこには、キャパのプロとしての意識が貫かれていて、揺れたりぶれたりすることがない。
だからこそ、キャパはすばらしいのでしょう。
でも、でもね。
人なら、ぶれたり、揺れたりしてほしい。
人間が発する熱やにおいを感じさせてほしい。
私の感じたひっかかりは、おそらくそんなことなんだと思います。
だからといって、主義主張が全面に出た写真なんかは見る気もしないんだけどね。
帰りの電車に揺られながら、つらつらとそんなことを考えていました。
ロバート・キャパ / ゲルダ・タロー 二人の写真家展は、横浜美術館にて、3/24までです。
http://www.yaf.or.jp/yma/index.php
被写体を問わずほんとうに美しい。
計算しつくしてアングルを決めた、映画のワンカットのよう。
たとえそこに写っているものが、人の死にざまであっても。
写真に関してほとんど何の知識もないのですが、先日NHKで特集が組まれたこともあって、見てみたいなぁと思っていました。
有名な数枚の写真以外は、初めてみるものばかり。
そのほとんどは、あたりまえですが、戦争の写真です。
戦争カメラマン、ですものね。
それでね。
美術館内がとても混雑していたこともあって、ひとつひとつの写真をあまりじっくり見たりせず、さらさらっと流していきました。
そして、その写真の美しさに、いちいちおどろいていました。
打ちひしがれた人、こぶしを振り上げる人、空襲におびえる人、どんなものを写しても、美しい。
ああ、すごいな、さすがだなぁと思いながら見ていて、ふと、何か引っかかるものがあることに気づきました。
それが何なのか、美術館にいる間はわかりませんでした。
見終わってからの疲労感は、半端なかったけれど。
美術館を出て桜木町の駅に近くなったころに、ようやく思い当りました。
それは、”冷静さ”でした。
写真に写っているものが、たとえ撃たれた瞬間の兵士であっても、敵軍兵士との子どもを抱いて人々の罵倒や嘲笑をあびながら歩く女性であっても、朽ちはじめた子供の遺体であっても、写真はただただ美しい。
そこには、キャパのプロとしての意識が貫かれていて、揺れたりぶれたりすることがない。
だからこそ、キャパはすばらしいのでしょう。
でも、でもね。
人なら、ぶれたり、揺れたりしてほしい。
人間が発する熱やにおいを感じさせてほしい。
私の感じたひっかかりは、おそらくそんなことなんだと思います。
だからといって、主義主張が全面に出た写真なんかは見る気もしないんだけどね。
帰りの電車に揺られながら、つらつらとそんなことを考えていました。
ロバート・キャパ / ゲルダ・タロー 二人の写真家展は、横浜美術館にて、3/24までです。
http://www.yaf.or.jp/yma/index.php
by naocco8
| 2013-03-21 00:06
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