2005年 10月 15日
メゾン・ド・ヒミコ その1 |
ネタバレありありなので、映画の内容を知りたくない方はご注意ください。
この映画にはいろいろな要素が盛り込まれていて、だからこそ見終わった直後にはどこから読み解いたらわからない状態に陥りました。
でも時間の経過と共に特に引っかかった部分、好きなセリフなどがまとまってきました。
先日書いたマグノリアも同様で、見終わった直後は変な映画を観ちゃったよ、と思っていたら、後から思い出す、思い出す。
そしてたぶん一生繰り返し見る映画となりました。
さて、メゾン・ド・ヒミコ。
私にとっての一番のポイントは「あなたが好きよ」でした。
沙織は、母親が自分たちを捨てた父親と実は会っていた、という受け入れがたい真実を確認するため、意を決してヒミコの部屋を訪れます。
そして自分が背負ってきた金銭的、精神的苦しみを吐露し、妻と子供を捨てて自分勝手に生きたことを少しは悔いているのか、と問いただします。
沙織の苦しみ。
ヒミコが自分に正直に生きることを選び、家族を養う義務を放棄して出ていってから、沙織と母親は困窮しながらなんとか生きていきます。
女手一つで私を育ててくれたという言葉や、母親の誕生日にはお金を貯めて“馬鹿げた”帽子を贈ったことからもわかるように、沙織は母親を敬愛し、心から感謝しています。
厳しい生活の中で、自分勝手な父親を共通の敵として憎むことで、母娘の絆はより深く、より固くなったのではないでしょうか。
それなのに、病気で意識が混濁する中、母親は沙織をヒミコと間違え、嬉しそうに接しています。
最大の味方であるはずの人間が、こともあろうに自分を最大の敵と間違え、嬉しそうにしている。
その姿に沙織は混乱し、悲しんだに違いありません。
そしてその悲しみは父親に対する憎悪をさらに深めたでしょう。
看病での疲労、かさむ借金、そして母親の死。
沙織に手を差しのべる人はいなかったようです。
他人に期待なんかしない、自分は一人なのだという深く覚めた内面が、沙織の目に表現されていると思いました。
そんな沙織に対するヒミコの言葉、「あなたが好きよ」は何を意味するのでしょうか。
続く
この映画にはいろいろな要素が盛り込まれていて、だからこそ見終わった直後にはどこから読み解いたらわからない状態に陥りました。
でも時間の経過と共に特に引っかかった部分、好きなセリフなどがまとまってきました。
先日書いたマグノリアも同様で、見終わった直後は変な映画を観ちゃったよ、と思っていたら、後から思い出す、思い出す。
そしてたぶん一生繰り返し見る映画となりました。
さて、メゾン・ド・ヒミコ。
私にとっての一番のポイントは「あなたが好きよ」でした。
沙織は、母親が自分たちを捨てた父親と実は会っていた、という受け入れがたい真実を確認するため、意を決してヒミコの部屋を訪れます。
そして自分が背負ってきた金銭的、精神的苦しみを吐露し、妻と子供を捨てて自分勝手に生きたことを少しは悔いているのか、と問いただします。
沙織の苦しみ。
ヒミコが自分に正直に生きることを選び、家族を養う義務を放棄して出ていってから、沙織と母親は困窮しながらなんとか生きていきます。
女手一つで私を育ててくれたという言葉や、母親の誕生日にはお金を貯めて“馬鹿げた”帽子を贈ったことからもわかるように、沙織は母親を敬愛し、心から感謝しています。
厳しい生活の中で、自分勝手な父親を共通の敵として憎むことで、母娘の絆はより深く、より固くなったのではないでしょうか。
それなのに、病気で意識が混濁する中、母親は沙織をヒミコと間違え、嬉しそうに接しています。
最大の味方であるはずの人間が、こともあろうに自分を最大の敵と間違え、嬉しそうにしている。
その姿に沙織は混乱し、悲しんだに違いありません。
そしてその悲しみは父親に対する憎悪をさらに深めたでしょう。
看病での疲労、かさむ借金、そして母親の死。
沙織に手を差しのべる人はいなかったようです。
他人に期待なんかしない、自分は一人なのだという深く覚めた内面が、沙織の目に表現されていると思いました。
そんな沙織に対するヒミコの言葉、「あなたが好きよ」は何を意味するのでしょうか。
続く
by naocco8
| 2005-10-15 23:41
| Movie